がんばる学生を応援したい、私あずです。
ちょっと楽しい家づくり ひまわり工房(広報 設計士)東沙織です。
以前から、私のinstagramには、全国の学生から相談が寄せられています。今日は、高3の学生さんからいただいた質問に答えてみまました。
質問相談『文系だけど建築に興味がある。進路に迷います。』
(実際のメッセージがこちら)
はじめまして。突然すみません。高3女子です。進路について相談したいことがあってDMを送らせていただきます。
わたしは、家やインテリアに興味があってはっきりと決まっていませんが将来はそれに関わる仕事をしたいと考えています。
間取りも興味があったのですが、どうしても理系科目が出来なくて建築を諦め、他に家に関わる仕事を大学に通いながら見つけようと思い、とりあえず▲▲学部(建築外)を受験する予定です。
進路を調べていく中で、いよいよ出願というときに●●大学の建築インテリア学科とうものを見つけました。文系でも建築士がとれる学科だそうです。でもなぜ理系分野の建築なのに、文系でも建築士の資格がとれるのでしょうか?もし受かったらその学部に進んだほうが住居系の仕事には有利でしょうか?アドバイスいただければ幸いです。
なるほど~!というか、この手の質問がじわり多くて(週2くらいですが)驚きます。さて早速答えていきましょう。
大学卒業後、すぐに住居系のしごとをしたいならば、専門的な学科に進むのもアリ。
高校生のときはまだ、就職なんてぼんやりとしかイメージがわかないものです。けれど、「住居系のしごとをしたい!」とすでに意思が固まっているであれば、迷わず専門的な学科にすすむと、大学生活の学びへの姿勢も楽しいものになるでしょうし、学びから起こる行動も専門的になっていくでしょうね。一方で、大学が建築系以外であっても、大学卒業後に建築の専門学校へ行き、1~3年間専門性を磨いてから建築のしごとをするひともいますす。また、専門学校へいかずにいきなり建築の世界に飛び込むひともいます。どれも正解です。
有利か不利かは一概に言い切れませんが、『楽しそうかどうか』で選ぶと後悔の念が少なくなると思います。
建築の分野には、土木系(理系)建築と
住居系(文理系)建築がある。
『理系科目ができないから、建築のしごとが出来ない』と最初からあきらめるのはもったいないなと、そう思っています。わたしもそんなに理系科目が得意ではなく、文系のほうが得意でした。でもね、なんの仕事をするにも多かれ少なかれ、理系分野(例:数学や物理)には触れます。意識しないだけで、実は触れているものなんですよね。お金のやりとり年齢計算「四則計算」、物をいかに軽くもつか「テコの原理」とか。
要するに生きることって、理系体験の延長ですよね。
本当に、数Ⅲや数Cや物理の高い理解が求められるのは、『土木系(大型)建築』分野で働くひとたちです。公共建築がわかりやすい例ですね。なので、今回の質問にある『住居系のしごとに興味がある…』ということであれば、そんなに理系科目を頑張りすぎなくてもお仕事はある程度できるようになります。ただし、建築士を取得したい気持ちがあるのであれば、資格試験で問われる一部の分野で、少し苦労をするかもしれません。(私の事例ですが。笑)
実は、建築世界で働くひとの多くは、建築の学校を卒業していない。もちろんしごとは素晴らしくできる。
びっくりしますよね。建築の学校を卒業していなくても働けるのです。その事例の一部がこちら。
- インテリアショップの企画担当や販売士
- 内装店(カーテン、照明、壁紙…などのショップ)
- 電力会社、水道会社、ガス会社
- 不動産店
- リフォーム店
- ハウスメーカー
- 工務店
ええ?!あれ?!途中から「あれっ?」てなりませんでした? そうなんですよね。リフォーム店やハウスメーカー、工務店であっても、建築の学校を卒業していなくても多くのひとがバリバリと働いています。
ポイントは、職種。
営業、企画、設計、インテリア設計士、現場監督、事務、経理… いろいろと建築の世界にも職種はあります。設計や現場監督には確かに建築士という専門的な資格が必要になってくるのですが、そのほかの職種については、必ずしも資格は問われないのが一般的です。なので、結果的に建築の学校に行かない(行かなくても十分にしごとができるひと)が一定数いるんですよね。
建築の学校に行かなくても、建築士が受験できる。
は?え?はーーー?って感じになりますよね。。受験できちゃうんです。例えばベーシックな『二級建築士』の場合、学歴がなくても、実務経験7年経過すると資格試験を受験できるんですよね。ただ、実務経験の勤務履歴的なる書類がいるので、ご注意を。。
建築系学科を卒業しても、建築系の就職をしないひともいる。
これって、どの業界にもあるあるですよね。例えば教育学科を卒業したけれど教員にはならずにOLになったとかもよく聞きます。
『必ず専門職に就職することだけが、幸せのすべてではない』ので、銀行員になってもいいし、公務員になったっていい。IT系に従事してもいいし、フリーランスで雑貨を作ってSNSで売ったっていい。「学費を出してくれた親に申し訳ないから、何がなんでも3年間は専門職に就職しなきゃ。」って無理強いして就職することを親は喜ばないと思うんですよね。畑違いであっても、じぶんが出会った『ここでこの人たちと私らしく働く』っていう決意を表してくれたほうが親としてはきっと嬉しいハズです。それは、家業が建築であっても芯は変わらないんじゃないかと。
建築系の学校を卒業せずに他業界で就職し、その後ご縁あって建築系に転職するひと。この人たちが個性的で面白い!
一方で、まったく違う業界で働いてきたひとたちには、彼らのしごとの流儀があるんですよね。常識を逸脱するような新しい価値観をもっていたりもします。なので、転職では有利に扱われることもしばしば。
『家づくり』というカテゴリであれば、他業界からやってくる人が圧倒的に強みを生かすこともできるんですよね。要するに、(はじめの話に戻りますが)必ずしも理系が苦手であっても、建築のお仕事は楽しんでやっていけるということ。本当に好きだ~!って思えるお仕事なら、じぶんの強み(好きなことや得意なこと)を生かしてどんどん好きになっていけます。
私なら、『発信すること・妄想すること・言葉』これが大好きなので、じぶんの強みを生かした目線での『暮らしの設計士』を努めています。わたしのブログやinstagramがまさにソレですね。
『建築の周り』のおしごとも面白い。
- ファイナンシャルプランナー(お金のこと)
- 外構(緑、ガーデン)プランナー
- 整理収納アドバイス
- 大学研究室勤務
- クリエイティブ発信拠点での勤務
- 建築系ライター
- 建築系エディター
- 建築系webメディア、SNS関係
必ずしも、『建築を作る』ということだけがすべてではないんですよね。建築の『周りにあるしごと』も面白いものです。『作る』『教える』『伝える』『見守る』いろんな関わり方があります。だから建築って面白い。
私の働き方『暮らしの設計士(広報設計士)』は、以前に取材をしていただきました。取材の模様は、こちらのブログにもまとめています
https://azumasaori.com/himawarikobo/archives/4154
迷ったら、トライしてみる。すると次なる行動がみえてくる。
フィーリングがあう、あわない。なんかチガウ…。これは一度トライしてみるのが近道です。なので迷ったら、『まずはやってみたい方向へトライしてみる』と後悔がなくなっていくなと、わたしならそう言えます。受験も採用試験も同じで、とりあえずやってみる。やってみてちがったなら次なる行動が見えてきますよね。
そんなわけです。
勉強できなくっても大丈夫やん。
大事なのは、置かれた環境がどこであれ、一生懸命になってみること。
Q.『文系学生も建築のしごと』はできるんですか?
A.「できます。視野を広げると色んなかかわり方があるので、建築に対してポジティブであってね…!」
なにかわからんことがあったら、聞いてくださいね。たまにinstagramLIVEで相談会もやっているのでね。
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